おいでよシナリオの森!

夢はヒーローもののライターです☆

課題「雨」ハートに包帯

    人 物

横川のどか(21)大学生

央地俊哉(21)のどかの高校の同級生

松尾ゆかり(20)央地の同期

 

 

 

〇遊園地・全景

 

〇同・コーヒーカップ

   コーヒーカップが回っている。

   横川のどか(21)と央地俊哉(21)が乗って

   いる。   

   のどかは地味な色合いのワンピースに黒

   髪のストレートロング。

   央地は明るい茶髪に沢山のアクセサリー

   を身に着けた派手な姿。

   央地、笑顔で回している。

   のどか、ハンドルにしがみついている。

 

〇同・ジェットコースター

   ジェットコースターが動いている。

   両手をあげて楽しんでいる央地と悲鳴を

   上げ続けているのどか。

のどか「無理!無理!もうやめて~!」

   央地、隣ののどかを見て嬉しそうに笑う。

 

〇同・ジェットコースター乗り降り場

   車両から飛び降りる央地。

   長い髪も乱れ、ぐったりして動けないの

   どか。

   央地、のどかに手を差し出す。

   のどか、央地を睨みつける。

   央地、笑顔で手をのどかの前に突き出す。

央地「ほら、手。立たないの?」

   のどか、悔しそうに手を取る。

のどか「貸しにしておきます」

央地「気にしなくていいのにな」

   央地、のどかをコースターから降ろして

   やる。

のどか「あなたに頼りたくないんです」

央地「俺は頼ってほしいのになぁ」

   央地、笑う。

   のどか、鼻を鳴らしてそっぽを向く。

 

〇同・ベンチ

   のどかと央地が並んで座りドリンクを飲

   んでいる。

央地「髪、乱れちゃったね」

   央地、のどかの髪を優しく撫でる。

   のどか、大人しく撫でられていたがハッ

   と気付いて慌てて距離を取る。

のどか「なっ何をするんですか!」

央地「あ、残念」

   のどか、央地に背を向けて座り直しドリ

   ンクを飲む。

   央地、笑顔でのどかの傍に移動する。

央地「でも今日来てくれたってことは、ちょっ

 とは脈ありって思ってもいいんだろ?」

のどか「無いです。ホントに」

央地「まだ俺のこと嫌い?」

   央地、のどかの手を握ろうとする。

   のどか、それを避けるように立ち上がる。

のどか「…当り前です」

   央地、のどかを見つめる。

   のどか、目を逸らす。

のどか「お手洗い行ってきます」

   のどか、走っていく。

   央地、笑顔で見ている。

   走り去るのどかの背中を松尾ゆかり(20)

   が遠くから見ている。

   央地を振り返り、のどかの後を追いかけ

   る。

 

〇同・建物の前

   のどか、ハンカチを鞄に仕舞いながら建

   物から出てくる。

   のどか、空を見上げる。

   曇っている。

   ゆかりが近付く。

ゆかり「あの」

のどか「はい?」

   のどか、振り返る。

ゆかり「俊哉と付き合ってんの?あんた」

   のどか、眉を顰める。

のどか「なんですか急に」

ゆかり「アタシ俊哉の元カノ」

のどか「はぁ…。央地君と付き合うつもりはな

 いですから、よりを戻したかったらご自由に

 どうぞ。ずっとなれなれしく付きまとわれて

 こっちは迷惑しているくらいなので」

ゆかり「彼に言い寄られて迷惑してるって言い

 たげね」

のどか「そうですけど?」

   ゆかり、バカにしたように笑う。

ゆかり「俊哉ってばホントいい性格してるわ」

のどか「どういう意味ですか?」

ゆかり「あいつが結構なパリピだって知ってる

 でしょ」

のどか「そうですね、あの身なりですし」

ゆかり「楽しいこと大好きでアタシもしょっち

 ゅうあちこち一緒に行って遊んでたけどさ。

 あいつはそういう遊びやすい女が好みなの。

 どっちかっていうとアンタ正反対よね」

のどか「私もそう思います。だから迷惑してる

 んです」

ゆかり「わかんない?だから本当にアンタのこ

 と好きになってるわけがないってこと」

   ゆかり、意地悪な笑みを浮かべる。

ゆかり「前に小林と話してたの聞いたよ。落と

 せるか落とせないかとか、賭けてたみたい。

 あれアンタのことだったんじゃないの」

   のどか、目を見開く。

ゆかり「アイツに好かれてるって勘違いしてる

 の可哀想だったから忠告しといてあげるわ」

   ポツポツと雨が降り出す。

   ゆかり、スマホを見る。

ゆかり「あ、いけない時間だ。じゃあね、さっ

 さと俊哉から離れた方がアンタのためよ」

   ゆかり、手を振って走り去っていく。

   のどかから見えないところで満足そうな

   笑みを浮かべる。

   のどか、茫然と立っている。

 

〇同・全景

   雨足が強くなってくる。

 

〇同・建物の前

   雨が降っている。

   小走りで建物に入っていく客たち。

   央地、ジャケットで頭を守りながら走っ

   てくる。

   辺りを見回してのどかを見つける。

   のどか、濡れたまま立ち尽くしている。

央地「やっと見つけた」

   央地、駆け寄る。

央地「何してたんだよ、遅いから探しに来たよ」

   のどか、反応しない。

   央地、のどかを覗き込む。

央地「横川?」

   のどか、央地を見る。

央地「中入ろう。濡れるよ…もう結構濡れてる

 けど」

   央地、のどかの手を引いて歩き出そうと

   する。

   のどか、手を振り払う。

   央地、驚いてのどかを見る。

   のどか、泣きそうな顔で央地を睨みつけ

   央地を平手打ちする。

   央地、茫然とのどかを見る。

のどか「さよなら」

   のどか、走り去る。

央地「おい、横川!」

   央地、追いかけようとするが建物に入ろ

   うとする客に阻まれてすぐに追いかけら

   れない。

   のどかを見失い、焦って周囲を見回す。

 

〇同・トイレ個室内

   のどか、個室の壁にもたれてハンカチで

   髪や手を拭う。

   ハンカチで拭った手の上にまた水滴が落

   ちる。

   のどか、自分の頬に触れ、涙に気付く。

   手で何度も涙を拭う。

 

〇住宅街・バス停(夜)

   バスが停まる。

   ビニール傘を持ったのどかが降りてくる。

   傘を差して歩き始めるのどか。

   スマホを取り出す。

   央地からの着信とメッセージでいっぱい

   の画面。

   のどか、スマホを仕舞う。

 

〇同・のどかの家の前(夜)

   のどかが歩いてくる。

   家の前、塀にもたれかかる央地の影があ

   る。

   影の正体は見えない。

   のどか、足を止めて影をジッと見る。

のどか「えっ」

   央地が立ち上がり外灯の下に立つ。

   びしょ濡れの央地の姿が照らされる。

   央地、ホッとした表情で微笑む。

央地「おかえり」

のどか「央地くん。なんでここに?」

   のどか、傘を差しかけようとして止める。

   足早に央地の前をすり抜けて玄関に向か

   う。

   央地、のどかの背中に話しかける。

央地「なあ、俺何かしたか?」

   のどか、ドアノブに手をかけたまま止ま

   る。

のどか「自分の胸に聞いてみたらどうですか」

央地「もう聞いたよ、でもわからないから来た

 んだ。お前と再会してからこっち、お前を傷

 つけるようなことはやってないつもりだ」

のどか「傷つかないと思ってるんだったら人を

 馬鹿にしすぎですよ」

央地「何の話だよ」

のどか「元カノって人が教えてくれました。私

 を落とせるか賭けてるって。小林君と」

央地「は?」

のどか「さよなら。賭けはあなたの負けです」

   のどか、傘を央地に投げつけて家の中に

   入る。

 

 

 

※アップするものをため込んでました…!

ちゃんと提出はしてましたよ!