おいでよシナリオの森!

夢はヒーローもののライターです☆

課題「万年筆」魔法は続いていく

人物

 安村玲司(5)

 安村玲司(18)受験生

 安村瑛一(31)玲司の叔父

 安村玲子(32)玲司の母

 安村ミソノ(58)玲司の祖母

 

 

〇安村家・全景

   田舎の旧家。

   表札には「安村」の文字。

   駐車場に白いセダンが入ってくる。

 

 

〇同・玲司の部屋

   お絵描きしていた安村玲司(5)、車が来た音に気付いて窓から外を覗く。

玲司「叔父さん帰ってきた!」

   飛び上がって喜ぶ玲司。部屋を飛び出していく。

 

〇同・玄関先

   キャリーケースを引いた安村瑛一(31)が入ってくる。

   安村玲子(32)と安村ミソノ(58)が出迎えに来る。

瑛一「ただいま、母さん姉さん」

玲子「今回はずいぶん長い旅だったね」

瑛一「まあね。欧州をグルっと。いい作品描けそうだよ」

ミソノ「あんたねぇ作品だかなんだか知らんけどそろそろ落ち着いて身を固めて…」

   玲司が飛び出してくる。

玲司「叔父さんおかえりっ1」

瑛一「そうだなぁひと月はいるかな」

玲司「やった!いっぱいお話し聞かせてね」

瑛一「よーし、じゃ部屋で聞かせてやる」

玲司「わーい」

   玲司を抱えて部屋へと向かう瑛一。

   残されたキャリーケースを持ち上げる玲子。

玲子「もう、ほったらかしで…」

ミソノ「玲司があの子に懐くのはいいけど、妙な影響受けないかねぇ」

玲子「大丈夫よ。玲司は医者になりたいって言ってたし。しっかりしてるから」

   玲司と瑛一の笑い声が聞こえる。

玲子「…多分ね」

   苦笑しつつ見合う玲子とミソノ。

 

〇同・駐車場(朝)

   車に荷物を積み込んでいる瑛一。

   それを玲子の隣で見つめている玲司。泣きそうな玲司。

玲子「何もそんなに急がなくても」

瑛一「悪いな。やっと結果が出そうなんだ。絶対逃がしたくないからさ。軌道に乗れ

 たらしばらく帰って来れないかも」

玲司「叔父さん…(泣きそう)」

   瑛一、胸ポケットから万年筆を出すと玲司に差し出す。玲司、瑛一を見る。

瑛一「これな、夢を叶える魔法の万年筆なんだ。俺はもう叶えてもらったから、今度は

 お前にやる。俺のパワーも入ってるぞ」

   玲司、受け取る。

瑛一「お前の夢、応援してる。頑張れよ」

   瑛一、微笑んで拳を差し出す。

   玲司、笑顔になり拳を差し出す。

玲司「まかせとけ」

   玲司と瑛一、グータッチ。

〇玲司の部屋(数年後)

   安村玲司(18)が机に向かって書類を書いている。医大への入学願書。

   署名欄まで来て手を止める。

   ペン立てから古ぼけた万年筆を取り出す。ジッと万年筆を見つめる玲司。

玲司「よし」

   気合を入れ、丁寧な手つきで安村玲司を署名する。

   机の上の写真立てには賞状を持った瑛一(31)と玲司(5)の笑顔の写真。

 

※結構気に入ってたので、TapNovelさんのモニターでも使用してノベルを書きました。