おいでよシナリオの森!

夢はヒーローもののライターです☆

番外編:コナンパロディ

人物

江戸川コナン

怪盗キッド

毛利蘭

中森警部

松山玲子 米花博物館の館長

 


〇米花博物館・スフィンクスの涙前

   「スフィンクスの涙」が飾られて

   いる。

   中森警部、松山玲子が入ってくる。

中森「これがスフィンクスの涙ですか。

 はぁ、これは立派な宝石だ」

玲子「あ、触らないでください」

中森「これは失敬。で、キッドからの予

 告状があったわけですな」

玲子「これです」

   玲子、手紙を差し出す。

中森「今宵「スフィンクスの涙」をいた

 だきに参上します、か。奴にしては随

 分シンプルな文章だな」

玲子「大丈夫でしょうか?刑事さん」

中森「お任せください。私が必ずお守り

 いたしましょう」

玲子「よろしくお願いいたします!」

   玲子、深々と頭を下げる。

中森「よし、お前らすぐに準備を始めろ

 ー!」

   中森、部下に指示を出しながら去

   っていく。

   玲子、頭を上げて中森を見送る。

玲子「うまくいったわ」

   玲子、得意げに去っていく。

 

〇米花博物館・ロビー

   人がたくさんいる。

   怪盗キッド(快斗)がパンフレッ

   トを手に入ってくる。

キッド「エジプト秘宝展ねぇ…確かにこ

 のスフィンクスの涙って奴は気になる

 お宝だけど。

 さて、キッド様の名を騙る奴はどいつ

 だ~?」

   キッド、キョロキョロ見回す。

キッド「うわ、やば」

   キッド、慌てて顔を隠す。

   江戸川コナンと毛利蘭が入ってく

   る。

蘭「楽しみだね、コナンくん!」

コナン「そうだね」

蘭「この目玉展示のスフィンクスの涙っ

 てね、世界最大級のブルーサファイア

 なんだって。どれくらい大きいのかな

 ぁ楽しみ」

コナン「あっちに展示されてるらしいよ」

蘭「よぉし、行こう行こう!」

   コナンと蘭、走って去っていく。

   隠れていたキッド、顔を出す。

キッド「あいつ来てんのか…。こりゃ事

 件起きるな」

   キッド、コナン達の後を追う。

 

〇米花博物館・スフィンクスの涙前

   玲子が展示品前に立って案内して

   いる。

   コナンと蘭が入ってくる。

蘭「わぁ、これがスフィンクスの涙ね」

   蘭、展示品に駆け寄る。

玲子「どうぞごゆっくりご覧ください」

蘭「すごーい、本当に大きくてキレイ。

 ね?コナンくん!」

   コナン、遠くをジッと見ている。

蘭「コナンくん?」

コナン「(玲子に)ねえ、何かあったの?」

玲子「え?何かって?」

コナン「だって向こうに刑事さんがいる」

蘭「え?」

   インカムで話しながら中森が入っ

   てくる。

蘭「中森警部」

中森「ん?君は毛利のところの…」

蘭「警部もスフィンクスの涙を観にいら

 したんですか?」

中森「いや、今日は仕事で…」

コナン「仕事?キッドが来るの!?」

中森「ああ。例のごとく予告状が来てな」

コナン「見せて!」

蘭「ちょっとコナンくん」

中森「ワシは構わんが。いいですか?館

 長」

玲子「え?この子にですか?」

中森「はい。コナンくんは色々面白いこ

 とに気付く子でしてね、今までも色々

 協力してもらってるんですよ」

玲子「はぁ…。警部さんがそうおっしゃ

 るなら…」

   中森、コナンに予告状のコピーを

   見せる。

   コナン、予告状を見つめる。

コナン「なんか…これ…」

中森「君も気付いたか?」

コナン「この予告状って何か変だよね」

蘭「そうなの?」

玲子「何が変だというんですか?」

   突然真っ暗になる。

蘭「え、何?停電!?」

中森「来たか!?」

キッドの声「レディースアンド、ジェン

 トルメーン!」

中森「キッドか!」

   部屋が明るくなる。

   キッドが展示品の背後に立ってい

   る。

   手にはスフィンクスの涙。

   玲子、悲鳴を上げる。

キッド「予告通り、スフィンクスの涙は

 いただきますよ」

中森「そうはさせるか!」

   中森、キッドに飛びかかる。

   キッド、軽く躱す。

   コナンの目の前に立って

キッド「お前の仕事だぞ、名探偵」

コナン「え?」

キッド「それではまたお会いしましょう」

   キッド、去っていく。

中森「待て!こら待たんかキッド~!」

   中森、キッドを追って去っていく。

   玲子、ヨロヨロと展示品のケース

   に近付く。

玲子「ああ、スフィンクスの涙が…!な

 んてこと…!」

   玲子、大げさに泣き始める。

蘭「館長さん、泣かないでください。大

 丈夫です、きっと中森警部が取り返し

 てくれますよ」

   コナン、ジッと展示品のあった場

   所を調べている。

   玲子を見るコナン。

   玲子、大げさに泣き続ける。

 

〇事務室(夜)

   暗い部屋に月光が差し込んでいる。

   玲子が電話している。

玲子「はい、そうなんです盗まれてしま

 って。はい、怪盗キッドに。はい…は

 い、わかりました。書類は近日中にお

 送りしますので、保険金の手続きを…

 はい、それではよろしくお願いします」

   玲子、電話を切る。

玲子「うまくいったわ…これで多額の保

 険金が手に入る!本物のキッドが出て

 きちゃったのは驚いたけど、おかげで

 予告状が本物になったし結果オーライ

 ね」

   玲子、胸元から袋を取り出す。

玲子「おバカなキッドはまんまと偽物を

 持って行ってくれた。これで本物は私

 のものよ」

   袋からスフィンクスの涙を取り出

   す。

玲子「ん?これは…偽物!?どうして?どう

 して偽物がこっちに…」

キッドの声「探し物はこれかな?レディ」

   本物のスフィンクスの涙を持った

   キッドとコナンが入ってくる。

玲子「か、怪盗キッド!」

   キッド、本物を月光に当てる。

キッド「私が出した予告状ではないです

 が、いただけるようでしたのでもらい

 に来ましたよ」

コナン「カッコつけたまわりくどい暗号

 は無いしキッドのロゴも新聞か何かの

 記事のコピーを貼り付けただけ。キッ

 ドだと思いこませたいならもうちょっ

 と凝った方がいいよ?館長さん」

キッド「カッコつけたってなんだよ、い

 いだろ暗号。お前だって毎回喜んで解

 いてるじゃねぇか」

コナン「うるせー」

玲子「だって警部は信じてくれたのに」

コナン「警部だって疑ってたよ。さすが

 に犯人が誰かまではわかってなかった

 みたいだけど」

   玲子、銃を取り出し突きつける。

玲子「そ、それを返しなさい!大人しく

 すれば命までは取らないわ!」

キッド「拳銃なんてエレガントじゃない

 な」

コナン「やめなよ。今ならまだ重い罪に

 はならないから」

玲子「うるさいうるさいっ」

   玲子、銃を乱射する。

   慌てて隠れるキッドとコナン。

玲子「宝石は私のもの、保険金も私のも

 のなのよっ」

キッド「参ったな、興奮状態だ」

コナン「なんとかしないと」

キッド「援護してやる」

コナン「わかった」

   キッド、飛び出して走りまわる。

   玲子、めちゃくちゃに撃つが当た

   らない。

   キッドがトランプ銃を撃つ。

玲子「あっ」

   玲子の手に当たり銃を取り落とす。

キッド「いまだ、名探偵!」

   コナン、麻酔銃を構えて飛び出す

   と玲子に向けて発射する。

   玲子、倒れて眠る。

コナン「ふぅ」

キッド「ナイスショット」

   遠くからバタバタを足音が聞こえ

   る。

中森の声「今銃声がしましたが、何かあ

 ったんですか!」

キッド「やべ、中森警部だ」

   キッド、窓枠に足をかける。

コナン「お前逃げるのか」

キッド「当然見逃してくれるだろう?犯

 人を捕まえるのに協力したんだぞ」

コナン「スフィンクスの涙盗っただろ!」

キッド「ああこれか、返すよ。元々狙っ

 てたお宝じゃないんだ」

   キッド、宝石をコナンに向けて投

   げる。

   コナン、慌てて受け取る。

キッド「じゃあな、名探偵」

   キッド、その隙に窓から飛んでい

   く。

コナン「あ、ちょっと待て!」

   コナン、慌てて窓に駆け寄るがキ

   ッドはもういない。

コナン「ったく…」

中森の声「松山館長!館長!」

   中森が乱暴にドアをノックする。

   コナン、慌てて宝石を玲子の足元

   に転がしてから陰に隠れる。

   ドアを明けて中森が入ってくる。

中森「松山館長、無事ですか!…あれ?」

   辺りを見回す中森。

中森「この部屋で一体何が…」

コナン「け、警部さん」

   コナン、陰から顔を出す。

中森「コナンくん!?どうして君がここに」

コナン「館長さんが僕に銃を向けてきた

 んだ!怖かった」

中森「なんだって!?」

   中森、倒れている玲子に近付く。

中森「眠っている…?(足元に転がって

 いる石を見て)なんだこれは…これ、

 スフィンクスの涙じゃないか!」

コナン「さっき館長さん、宝石も保険金

 も私のものよって言って銃を撃ってた

 んだよ」

中森「そうか、じゃあやはりあの予告状

 はキッドではなかったんだな」

コナン「そうだね」

   中森、ドアに向かう。

中森「(部屋の外に)おい、すぐに彼女

 を搬送しろ!残った者は現場検証だ」

   中森、指示をしている。

   コナンの携帯が鳴る。

コナン「もしもし蘭姉ちゃん?」

蘭の声「こんな遅い時間までどこにいる

 の?早く帰ってきなさい!」

コナン「ごめんなさい、すぐ帰ります!」

   コナン、慌てて出ていく。

 

〇毛利探偵事務所

   コナン、事務所のソファで新聞を

   見ている。

コナン「あの館長、他の博物館で前科ア

 リだったのか…」

   蘭が手紙を持って入ってくる。

蘭「コナンくん、手紙が来てたよ」

コナン「僕に?」

   コナン、蘭から手紙を受け取る。

コナン「誰からだろう」

   中を開く。

   ジッと本文を読む。

   コナン、笑顔になって

コナン「よぉし、挑戦受けてやるぜ怪盗

 キッド!」

   意気込んで部屋を出ていくコナン。

   蘭、コナンを見送って

蘭(キッド)「楽しみにしてるぜ、名探

 偵」

   笑顔でコナンと反対に出ていく。

 

                了

      

※とある依頼により書いたのですがその依頼がなくなったので供養。

 コナンは大好きな作品の一つなので、台詞一つ書くのに結構緊張してしまいました。

 昔は好きな作品の二次創作よく書いたなぁ…