おいでよシナリオの森!

夢はヒーローもののライターです☆

課題「魅力ある女」女神さまはお怒りです

    人 物

如月潮(28)キャリアウーマン

庄野賢太(28)同僚。潮の幼馴染

宇城愛里子(23)潮の後輩

小松崎遼太郎(29)潮の先輩

大将 居酒屋「満月」の大将

 

 

 

 

〇自然公園(夜)

   ライトアップされた公園。

   散歩している人、カップルが複数歩いて

   いる。

小松崎「え、今なんて…?」

   如月潮(28)と小松崎遼太郎(29)が向かい

   合っている。

   潮、俯いている。

潮「小松崎さん、私と…」

小松崎「ちょ、ちょっと待って」

   潮、顔を上げる。

小松崎「ごめんそれ以上言わないでくれるかな」

   潮、小松崎を見つめる。

小松崎「ほら、君はさ…俺なんかとレベルが違

 うからさ、ちょっと、恐れ多いっていうか…」

   小松崎、頭を掻いて笑う。

小松崎「君は営業部のマドンナでいてよ。ね?」

 

〇居酒屋「満月」・外観(夜)

   提灯が灯っている。

 

〇同・店内(夜)

   潮と庄野賢太(28)がカウンターに並んで

   飲んでいる。

   潮、空のコップを机にたたきつける。

潮「おかわり!」

庄野「もうやめといたら?それ何杯目よ」

潮「知らない」

   大将、コップを受け取りながら

大将「水割り5杯目です」

庄野「え、もうそんなに?やめとけってもう」

潮「うっさいわね、大将持ってきて!」

   大将、奥に引っ込んでいく。

   潮、庄野の前にあるグラスを取って飲む。

庄野「あ、それ俺の」

潮「なにこれジュースじゃん」

庄野「ジュースじゃねぇし、ピーチハイだし」潮「女子か」

庄野「男子です」

   大将、水割りと水のコップを両手に持っ

   て戻ってくる。

   潮、片方だけ受け取る。

潮「水いらないわよ、下げて」

   大将、肩をすくめて戻っていく。

庄野「よくわかったな、どっちが水か」

   潮、酒を一息で飲む。

潮「あーうまい」

庄野「そりゃようござんしたね。大将、俺にピ

 ーチハイと、こいつにウーロン茶」

潮「いらないわよウーロン茶」

庄野「ちょっとはインターバル挟めって」

   潮、不満げに焼き鳥を食べる。

庄野「それで?今回はどこの誰」

潮「営業部の小松崎さん」

庄野「また随分と近場の人間だな」

潮「よく話すから大丈夫だと思ってたのに…」

   大将、ピーチハイとウーロン茶を持って

   くる。

   潮、ピーチハイを取って一気に飲む。

庄野「あ、俺の」

潮「何よレベルが違うって!何よ恐れ多いっ

 て!私はなんだ、神か悪魔か?皆のマドンナ

 なんて嬉しくないのよ、誰かのマドンナにな

 りたいのよ私は!」

   大将の手からウーロン茶を取ってまた一

   気飲みする。

庄野「そっちも飲むのかよ」

   潮、空のグラスを置いて机に突っ伏す。

庄野「超有能美人OL様も大変だな?」

潮「あんたはどうなのよ…ウシロちゃんとは」

庄野「どうって、普通だけど。普通」

   潮、起き上がって庄野の肩を揺さぶる。

潮「その普通のお付き合いがわからないから聞

 いてるんでしょうが」

庄野「落ち着けよ、とんだ絡み酒だな!マジ飲

 みすぎだってお前」

   庄野、潮の手を掴んで引き離す。

潮「うわぁぁん」

   潮、声を上げて泣き出す。

   周囲の客が庄野を見る。

庄野「泣くな泣くな、落ち着け、な?もう出よ

 う。とりあえず出よう。なっ?」

   庄野、潮の頭を叩いてあやしながら立ち

   上がる。

 

〇道(夜)

   庄野が潮の肩を支えながら歩いている。

   潮、鼻をすすりながら歩いている。

庄野「駅もうすぐだから。頑張れよ」

   潮、うなずく。

愛里子の声「あれ、如月先輩?」

   庄野と潮、顔を上げる。

   宇城愛里子(23)が正面から走ってくる。

庄野「エリちゃん」

愛里子「あれ、賢太さんだったの。如月先輩、

 どうしたんですか?大丈夫?」

庄野「彼氏より先輩の心配かよ」

愛里子「如月先輩は特別です。先輩、随分飲ま

 れてますね?大丈夫ですか?」

潮「うん、大丈夫だいじょ…ウッ」

   潮、口を押える。

庄野「ま、待て!おいどっか無いか!?」

愛里子「あ、すぐそこにトイレある!」

   庄野と愛里子、潮を支えて走り出す。

 

〇公衆トイレ前(夜)

   庄野が立っている。

   潮と愛里子が出てくる。

愛里子「お待たせしました」

庄野「もう大丈夫か?」

潮「うん、大分…」

庄野「だから飲みすぎるなって言ったんだ」

潮「だって飲みたかったんだもん」

庄野「だもんって、お前」

愛里子「ふふ、如月先輩可愛い」

庄野「お前はこいつを甘やかすな」

潮「水飲みたい」

愛里子「あ、そこに自販機ありますから、私買

 ってきますね」

庄野「悪いな」

   愛里子、走っていく。

   潮、ベンチに腰を下ろす。

庄野「明日が心配だな?」

潮「言わないでよ」

愛里子の声「キャーッ!」

   潮と庄野、驚く。

   潮、走り出す。

庄野「あ、おい!」

   庄野、後を追う。

 

〇道・自販機前(夜)

   ニット帽の男が愛里子のハンドバッグを

   掴んで引っ張っている。

   愛里子、必死に抵抗している。

愛里子「返して、返して!」

   ニット帽の男、強引にハンドバッグを引

   っ張る。

   愛里子、よろけて転ぶ。

   ニット帽の男、ハンドバッグを奪う。

愛里子「あっ」

潮の声「こらぁぁぁっ」

   ニット帽の男と愛里子、声のした方を向

   く。

   潮が真剣な表情で走ってくる。

愛里子「如月先輩」

   ニット帽の男、驚いて逃げようとする。

   潮、ニット帽の男にタックルする。

   ニット帽の男と潮、倒れこむ。

庄野「大丈夫?」

   庄野、愛里子に駆け寄る。

   潮、素早く起き上がってハンドバッグを

   掴んで取り返そうとする。

   ニット帽の男、殴りかかる。

   愛里子、驚いて顔を覆う。

庄野「心配いらないよ」

   愛里子、顔を上げる。

   潮、ニット帽の男の拳を手で受け止めて

   いる。

潮「はっ」

   潮、掴んだ拳を利用してニット帽の男を

   投げ飛ばす。

   ハンドバッグが地面を滑る。

   愛里子、驚いて見ている。

庄野「な、大丈夫だろ」

潮「か弱い女の子からひったくりかましてんじ

 ゃないわよ、このクソ男が!」

   潮、ニット帽の男にキャメルクラッチ

   かける。

   ニット帽の男、苦し気に地面を叩く。

愛里子「先輩…」

庄野「あーあー、やりすぎだあいつ」

   庄野、潮の元へ駆け寄る。

庄野「そこまでそこまで!それ以上やったらお

 前、傷害罪になるぞ」

   愛里子、潮と庄野を見て微笑む。

 

〇近藤商事・外観(朝)

 

〇同・営業部(朝)

   愛里子が一人で社員の机を拭いている。

   潮が出社してくる。

潮「おはようございます」

愛里子「おはようございます!」

   愛里子、潮に駆け寄る。

   潮、笑顔を見せる。

潮「おはよう。昨日はごめんね」

愛里子「先輩こそ。頭痛くありません?」

潮「大丈夫、慣れてるから。次の日に引きずっ

 たりしないわ」

   潮、机に向かいすぐにパソコンを開き仕

   事を始める。

   愛里子、うっとりと眺める。

   庄野が出社してくる。

庄野「おはようございます」

愛里子「おはよう、賢太さん。私たち、別れま

 しょう」

庄野・潮「ええっ!?」

   潮、立ち上がる。

庄野「え、朝からなに?」

   愛里子、ニコニコ笑って潮を見ている。

 

 

※潮のキャラクターはうまく書けたかなっと思います。

 美人で完璧に見える人ほど孤独だとはよく聞きますよね。